歯周病は歯を失うだけでなく
全身の健康への影響も。
まずはセルフチェック!
歯周病は日本人の成人の8割以上がかかっている感染症です。歯を失う原因の第一位は歯周病のため、早いうちからの予防が大切です(出典:厚生労働省e-ヘルスネット 歯の喪失の原因 2018年に全国2,345の歯科医院で行われた全国抜歯原因調査結果より)。
セルフチェックで歯周病を発見

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歯ぐきが赤い、赤黒い
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歯と歯の間の歯ぐきが丸みがある
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夕方になると歯が浮いた感じ
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歯ぐきがかゆい
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歯と歯の間隔が広くなった
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歯が伸びている気がする
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歯磨き中に出血することが多い
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歯ぐきに引き締まりがない
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起床時にお口がネバつく
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食べ物がよく挟まる
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お口から生臭いニオイがする
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歯が動いて痛む
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やわらかいものしか食べられない
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歯ぐきから膿がでる
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歯の根元が黄色っぽい
POINT
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初期段階では自覚症状がなく、痛みなどに気が付いたころには進行している恐れがあります。
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セルフチェックの上、症状があれば早めに歯科医院を受診しましょう。
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歯周病を予防するためにも、年に3~4回程度の定期検診をおすすめします。
歯周病の進行と治療法
歯周病の早期発見・早期治療により、大切な歯や全身の健康を守ることにつながります。
健康な歯肉

歯ぐきや顎の骨に歯はしっかりと支えられた状態です。
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見た目:歯ぐきはピンク色で引き締まりがあり、歯と歯の間の歯ぐきは三角形です。
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歯ぐきの深さ:1〜2mmと健康です。
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症状:歯ぐきからの出血や腫れなどはありません。
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治療法:歯周病治療は行いませんが、予防のために歯科医院の定期検診に通い歯のクリーニングや歯石除去を受けましょう。
歯周炎(軽度)

歯肉炎が進行し、歯ぐきが赤く腫れた状態です。
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見た目:歯と歯の間の歯ぐきが赤く腫れ丸みを帯びます。
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歯周ポケット:3〜5mm程度。
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症状:歯磨き中に出血が多くなる。歯を支えている顎の骨も徐々に溶かされるため、歯がグラつくこともあります。
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治療:歯のクリーニング、歯石除去をします。同時に、ブラッシング指導をお一人お一人に合わせて行います。「プロケア」と「セルフケア」の両方を実践していくのが大切です。
歯周炎(中等度)

プラーク(歯垢)や歯石が蓄積して、歯を支えている顎の骨が半分近くまで溶けてしまった状態です。
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見た目:歯ぐきは赤くブヨブヨと腫れます。
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歯周ポケット:4〜7mm程度です。
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症状:口臭が強く、歯の揺れも大きくなります。
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治療:歯石除去などのプロケアを定期的に行い経過観察します。場合によっては、フラップ手術により歯ぐきの奥深くにある歯石を除去します。
歯周炎(重度)

顎の骨がほとんど溶けてしまった状態です。
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見た目:歯ぐきは真っ赤に腫れあがります。歯の根っこが見えます。
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歯周ポケット:6mm以上です。
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症状:口臭はさらにひどくなります。歯は上下や左右に大きく動き、会話や食事に支障がでます。
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治療:歯石除去などのプロケアを定期的に行い経過観察します。改善しない場合は、フラップ手術をします。また、顎の骨が大きく溶かされている場合は、骨や組織を回復治療もします。
歯周病と全身の病気の関係
じつは、歯周病はお口の中だけの病気ではありません。歯周病が進行すると、歯周病の原因菌が血管を通って全身に行き渡り、悪影響を及ぼすのです。歯周病に罹患している方は、「糖尿病」「心疾患」「誤嚥性肺炎」などの全身疾患を引き起こすリスクが高くなることもわかっています。歯周病の初期段階では自覚症状がなく、気づいたころには「歯や全身の健康を脅かす」恐ろしい病気です。
歯周病が引き起こす・重症化させる全身疾患

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脳卒中
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狭心症、心筋梗塞
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動脈硬化
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誤嚥性肺炎
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糖尿病
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骨粗しょう症
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肥満(メタボリック・シンドローム)
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低体重児出産、早産 など
歯周病を治すには?
ご自宅で行う歯磨きなどの「セルフケア」と歯科医院で行う歯のクリーニングなどの「プロケア」の2つを実践することではじめて歯周病治療の効果がでます。
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歯科医院で行うケア(プロケア)
1.歯石の除去
歯や歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)にある歯石を歯科医師または歯科衛生士が、スケーラーと呼ばれる専用の器具を用いて取り除きます。
2.ブラッシング指導
歯周病の原因の多くは、プラーク(歯垢)です。毎日のブラッシングテクニックを磨けば、プラークをできるだけセルフケアで取り除くことが可能です。プラークの取り残しが多い部分を知り、磨き方のコツを掴むことで歯周病はグッと改善していきます。 当院でも患者さんお一人お一人のお口の状態に合わせてブラッシング指導をしておりますので、ご一緒に健康なお口を取り戻していきましょう。
3.外科治療
①②を行っても改善が見られない場合は、歯ぐきを切り開き、歯ぐきの奥深くにある歯石を取り除く手術をおこなうことがあります。
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ご自宅で行うケア(セルフケア)
1.適切なブラッシング
歯科医院で教わったご自身に合ったブラッシング方法で、プラーク(歯垢)を取り除きましょう。毎食後はもちろん、就寝前の歯磨きも行うと効果的です。
2.生活習慣の改善
歯を磨くタイミングや食生活を見直しましょう。また、喫煙者の方は歯周病治療を期に禁煙 するのがおすすめです。なぜなら、たばこは歯ぐきの血行が悪くなり、むしろ歯周病を悪化させてしまいます。当院では、歯周病の根本的な原因をなくすためにも、スポーツドリンクや炭酸飲料で水分補給を行わず水を選ぶなど、生活習慣の改善指導も行います。